更新日:2023年5月14日 公開日:2023年2月22日

SuperWalkにはユーティリティトークンである$WALK、ガバナンストークンである$GRNDがあります。ここではそのトークノミクスについて見ていきます。

SuperWalkのトークノミクス

トークン関連
画像の出典:SuperWalkのアプリより

SuperWalkでは、長期的に持続可能なトークンエコノミーのために、デュアルトークンモデルを選択しています。 主に楽しいアプリの利用に使用されるユーティリティトークンと、SuperWalkのプロジェクト運営全般の意思決定に関与するガバメントトークンを分離し、各トークンの目的に合わせて区別をしています。これにより、お互いの価値に及ぼす影響を最小限に抑えています。

[デュアルトークンの名称と総発行量]
・$WALK(総発行量:無制限):ユーティリティトークン
・$GRND(総発行量:1,000,000,000個):ガバナンストークン

$WALK(ユーティリティトークン)について

トークン情報

・トークン名:Walk Token
・トークンティッカー:$WALK
・コントラクトアドレス:0x976232eB7Eb92287fF06c5D145bD0d1C033eCA58
・総発行量:無制限

$WALKは無制限に発行されますが、毎日総発行量制限(Supply Cap)を設けることによって、過度なインフレを防いでいます。ユーザーはGPSと歩数センサーで測定されるウォーキングとランニングを通じてポイント(Point)を獲得し、そのポイントをもとに毎日$WALKの報酬を精算します。
*精算時間:00時00分~00時10分(KST)

既存のX2Eプロジェクトの限界

サービスが人気を集めれば集めるほど、ユーティリティトークンの価格は逆説的に下落する可能性があるという問題があり、次のような状況で、ユーティリティトークンのインフレは発生します。

  • ユーザー数が増加するにつれて、ユーティリティトークンの発行量も急増します。 これに伴い、ユーティリティトークンのハイパーインフレーションが発生し、トークンの価値は低下します。
  • ユーザー数が増加するにつれてNFTの数も増加し、トークンの価値は下落します。
  • ユーザーはスペックを上昇させるにつれ、採算性が増していきます。 例えば、シューズNFTのパフォーマンス(Performance)指標の値が上昇したり、エナジーや耐久度の減る割合が減少すれば、ユーザーはより多くのトークンを採掘できるようになり、 この点もトークンの価値が低下する要因になります。

このように既存のX2Eプロジェクトでは、ユーティリティトークンのハイパーインフレーションを経験したユーザーの多くがゲームから離脱してしまうという限界が解決されていませんが、SuperWalkでは、このような問題を解決できるトークンメカニズムを導入し、プロジェクトを運営しています。

*WALKに関連するキーロジックは、プロジェクトのロードマップに従って定期的に更新されます。メジャーアップデートに先立ち、コミュニティを通じて収集したデータや意思決定プロセスを透明性を持って公表します(ホワイトペーパーより抜粋)。

出典:SuperWalkのホワイトペーパーより

ポイント基盤の$WALKの報酬

①ユーザー別のポイント計算

SuperWalkのシューズNFTユーザーは、GPSベースのウォーキングまたはランニングを通じてポイントを獲得できます。 各ユーザーが得られるポイントは、次のような要因によって決定されます。

  • GPSの精度
  • 目標速度の精度
  • 消耗したエナジー(運動時間)
  • シューズNFTの種類(Walker、Jogger、Runner、Allrounder)
  • シューズNFTのパフォーマンスのステータス値
  • シューズNFTの残余耐久度
  • シューズNFTのラックのステータス値に基づく確率的なボーナスポイント
  • (今後)連続運動日数(1日あたり5分以上)

ユーザーが1分間運動をして得られるポイントを計算する式は以下の通りです。

  • Accuracy:目標速度に対する精度
  • Parametert:シューズNFTの種類に関連する変数
  • Parameter p1:シューズNFTのパフォーマンスのステータス値に関連する変数
  • Parameter p2:耐久度に関する変数

式のパラメーターを通じてシューズの種類によって異なる加重値を付与します。

②ポイントのリーダーボード

ポイントのリーダーボードでは、ユーザーが獲得したポイントと$WALK報酬の推定額を確認することができます。この情報は1時間ごとに集計され、リーダーボードに表示されます。リーダーボードは、KST(UTC+9)の午前0時に、獲得したポイントに応じて報酬を配布した後、初期化される予定です。

毎日の$WALK報酬プール

紹介

ユーザーに分配される日々の$WALK報酬プールの規模は、ロジックフェーズの設定変数に応じて動的に調節されます。動的な報酬プールを決定する主な変数は、ユーザー全体が1日に費やす修理コストです。

修理コストを$WALKの報酬プールの主要変数として設定した理由は次のとおりです。

修理コストは、ユーザーのアクティブさを最もよく示す指標です。 さらに修理コストとユーザー数、そしてポイントの相関係数が0.73~0.96で有意義な数値を示していることが内部データを通じて確認できました。

$WALK獲得の二極化を解消し、新規ユーザーに修理コストとしてバーンされる$WALKを保障する目的で、一日の$WALK報酬プールは以下のように二つの部分に分けられます。

  1. 基本報酬プール(Base Reward Pool)
  2. 追加報酬プール(Additional Reward Pool)
出典:SuperWalkのホワイトペーパーより

この2つのプールの説明は以下の通りです。

動的供給メカニズム

修理コストに基づく動的供給メカニズム

毎日の$WALKの報酬プールの規模は、下記の式により毎日調整されます。 動的供給のための変数は、CBT(クローズドβテスト)の期間中に蓄積されたデータが反映され、変動することがあります。 計算式で後から追加できる変数には、以下のものがあります。

  • ユーザー数(DAU、MAU)
  • 修理コスト
  • 全体コスト(レベルアップコスト+修理コスト+ミントコスト)
  • $WALK純引き出し量(純売り量)

①$WALK報酬プール

その日の$WALKの報酬プールのサイズを決定する公式は次のとおりです。

$WALK報酬プールが算定される公式の主要変数は、前時点の$WALK報酬プールの大きさと数理指標(Repair Index)です。

この時、日々の$WALK報酬プールは15:85の割合で基本報酬プール(Base Reward Pool)と追加報酬プール(Additional Reward Pool)に分けられます。 基本報酬プールと追加報酬プールに関する詳細な説明は、以下で確認できます。

*この比率はパブリックβテスト(PBT)データによって変動することがあります。

②修理指標(Repair Index)

$WALK報酬プールの大きさを決定する主要変数である修理指標(Repair Index)の公式です。

修理指標の主な変数は、t-1時点に対するt時点の総修理コストの変化率です。

例えば、t-1時点に比べてt時点の総修理コストが増加した場合、計算される修理指数はプラスになります。このように計算された修理指標を上記$WALK報酬プールの計算式に代入すると、t時点の$WALK報酬プールのサイズは、t-1時点より大きくなります。

逆に、t-1時点に比べてt時点の総修理コストが減少した場合、修理指標はマイナスとなります。 このように計算された修理指標を上記の$WALK報酬プール計算式に代入すると、t時点の$WALK報酬プールのサイズは、t-1時点より小さくなります。

$WALK報酬プールの大きさが、t-1時点に比べてt時点で急激に大きくなったり小さくなることを防止するため、修理指標の一日最大変化率をb%に制限しました。 制限数値は、テスト データによって変動する場合があります。

このように計算された一日$WALK報酬プールは、15:85の割合で基本報酬プール(Base Reward Pool)と追加報酬プール(Additional Reward Pool)に割り当てられます。

③基本報酬プール(Base Reward Pool)

時間が経過し、既存ユーザーの採算性が上昇するほど、新規ユーザーの採算性は急激に低下します。このようなユーザー間の$WALKのマイニングパワーの差を最小化するために、$WALK報酬プールの一部を基本報酬プールとして割り当てることになりました。

基本報酬プールの計算式は以下の通りです。

④追加報酬プール(Additional Reward Pool)

ユーザー間のスペックの格差による$WALK報酬の差は、追加報酬(Additional Reward)を通じて作り出すことができます。
追加報酬プールの計算式は次の通りです。

Dynamic Reward v2

⑤V1報酬(V1 Reward)

追加報酬プールまでは従来のダイナミックリワードと同じですが、新たにダイナミックリワードv2という内容が追加されました。
V1報酬は、基本報酬と追加報酬を合わせるとことで算出されます。

そして算出されたv1報酬とユーザーがその日に獲得したポイントのうち、最小値がv1.5報酬として計算されます。

これにより、ポイントより多くの精算を受けていたユーザーは、ポイントと1:1の割合でWALKを精算することになります。

⑥V2報酬(V2 Reward)

特定の条件を満たしたユーザーには「a」の報酬が追加され、「a」とv1.5報酬の合計がv2報酬となります。

条件報酬である"a"はフルサイズと総v1.5報酬の差です。v1.5報酬は常にv1報酬より小さいか同じであり、v1.5報酬がv1報酬より小さい場合は、フルサイズより少ない数の個数だけが分配されます。したがって分配されずに残った報酬が"a"になります。

⑦条件報酬aの分配

今後、様々な条件報酬の配布基準を研究していく予定です。初期には既存ユーザーに馴染みのあるポイントに基づき、条件報酬の分配します。精算日の上位x%にランクインしたユーザーは、条件報酬を受けることになります。

(本文中の配布基準や配布人数は、新しいシステムをテストし、最適化するための目的で、いつでも変更される場合があります。)

精算日の順位が上位x%にランクインしたユーザーには、以下の計算式に基づき、差別化された条件報酬を受けることになります。条件報酬は、各ユーザーが獲得したポイントの重みに応じて計算されます。

🔑$WALK報酬のプール計算例

次の2つの例では、2つの視点間の修理コストの変化率を用いて、$WALK報酬プールのサイズを求めるプロセスが含まれています。

*この例は、$WALK報酬プールの計算を理解する目的で書かれており、実際のロジックは異なる数値になることをご理解の上、参考程度にお読みください。

【例1】1日目に比べて2日目の$WALKの報酬プールのサイズが減少した場合にJohnが受け取る$WALK

1日目の$WALKの報酬プールのサイズ:100,000$WALK
1日目の修理費用:70,000$WALK
2日目の修理費用:68,000$WALK
1日目の修理費用に対する2日目の修理費用の変化率:-2.857%
2日目の$WALKの報酬プールのサイズ:97,143$WALK

Johnの2日目のポイントが300点の場合、Johnは2日目の深夜12時に分配ロジックに従って精算され、$WALK291.43を得ることになります。

【例2】1日目に比べて2日目の$WALKの報酬プールのサイズが増加した場合にJohnが受け取る$WALK

1日目の$WALKの報酬プールのサイズ:100,000$WALK
1日目の修理費用:70,000$WALK
2日目の修理費用:72,000$WALK
1日目の修理費用に対する2日目の修理費用の変化率:+2.857%
2日目の$WALKの報酬プールのサイズ:102,857$WALK

ダイナミックリワードv1:Johnの2日目のポイントが300点の場合、Johnは2日目の深夜12時に分配ロジックに従って精算され、308.57$WALKを得ることになります。

ダイナミックリワードv2:Johnの2日目のポイントが300点の場合、2日目の深夜12時に分配ロジックに従って、308.57$WALKを受け取る計算となりますが、v2で追加された新しいロジックによると、彼は自分のポイントと精算値うちの最小値である300$WALKを受け取ることになります。Johnが条件き報酬の対象となった場合、条件き報酬の分配ロジックに従って、さらに余剰の報酬を受け取ることになります。

$GRND(ガバナンストークン)について

トークン情報

・トークン名:SuperWalk
・トークンティッカー:$GRND
・コントラクトアドレス:0x84F8C3C8d6eE30a559D73Ec570d574f671E82647
・総発行量:1,000,000,000個

SuperWalkプロジェクトの究極的な目標は、「コミュニティの力で動作する脱中央化された運動習慣形成プロトコル」を構築することです。

$GRNDトークンは、このようなコミュニティ中心の形を進めていく上で重要な役割を果たします。 アプリ内のNFTシューズを取り巻く面白さの要素を加えるだけでなく、コミュニティ活性化、ガバナンス運営という3つの機能を担っています。

$GRNDはSuperwalkのガバナンストークンであり、合計10億個のみ発行されます。

$GRNDの分配および割当

ホワイトペーパーに掲載されている$GRNDの分配と割当は以下の通りとなっています。

出典:SuperWalk公式のホワイトペーパーの$GRNDより
出典:SuperWalk公式のホワイトペーパーの$GRNDより

$GRNDのベスティングプラン

$GRNDのベスティングプラン(5年間のリリーススケジュール)は以下の図の通りです。

出典:SuperWalk公式のホワイトペーパーの$GRNDより

その他、$GRNDの流動性供給、ステーキング情報などについては、今後追記する予定です。それまでは、SuperWalk公式のホワイトペーパーを参照ください。

以上のようにトークノミクスについて見てきましたが、いかがだったでしょうか。$WALKは既存のX2Eのプロジェクトでも述べられていた通り、色々と考えながら設計されていることが分かると思いますが、もっと詳しくメカニズムを確認したいという方は、SuperWalkのホワイトペーパーでご確認いただければと思います。それではお疲れ様でした。

【主な更新履歴】

  • [2023.05.14]
    現在のホワイトペーパーに合わせて内容を更新しました。